パリ・ラファイエット通りのおじいちゃん
行き場のない憂い
世界を席巻する新型コロナ禍も、第2波の懸念はありつつも、どうやらほとんどの地域
で山は越えたかに伝えられています。
少なくともヨーロッパ諸国では、ひとまずは沈静化の様相です。
日本国内も然り。
延期になっていたわたしの仕事も、少しずつ再開となり「緊急事態宣言」発令以前の忙
しさが戻りつつあります。
それにつけても気にかかるのは
昨年(2019年)、ヨーロッパを彷徨ったときお世話になった方々が無事にこの厄災を乗り
越えられただろうか⁉ ということ。
あちこちで困り果てた時に、あたたかい手を差し伸べてくださった方々・・・
たいてい新型コロナに於いては重症化の危険度の高い、それなりのお年頃の方々なのです。
そっと胸に抱いていたい優しい思い出なのに、同時にじりじり胸を焼く焦燥を感じずに
はいられません。
フランス・パリでのこと
ロンドンからユーロスターでパリ北駅に到着したわたし。
パリ北駅周辺は、治安があまり良くないことで有名な地域。
到着時間が夕刻ということもあり、翌日にはスペインに向かう予定でもあって
あまり動き回らなくて済むよう北駅から徒歩7~8分のホテルを予約していました。
北駅を出てホテルを目指すのですが、道が良く分かりません。
ともかく北駅前の「ラファイエット通り」をまっすぐ行きさえすればホテルに着くのだ
けど・・・
地図上での確認は完璧なつもりだったのですが、直線だと思った道が微妙なカーブを描
いていたり・・・う~ん・・・わからん(゜.゜)
焦っているせいもあるのかGoogle地図でも???てな始末。
治安の悪い北駅前でいつまでもウロウロするのは怖いし、誰かに道を尋ねるしかないね~
パリの若者は気に食わないとすぐに大きな舌打ちをするので苦手・・・
おお そこに通りかかった穏やかそうなおじいちゃん。
「ラファイエット通りを教えてください」と尋ねるのですが・・・
フランス語のみで英語はわからないようで、何よりわたしの日本語的発音が致命的だった。
それでも辛抱強く聞き取ろうとしてくれて、たまたま通りかかった知り合いらしいおば
あちゃんと一緒にホテルを探してくれました。
途中で道の名前を書いた表示板を見つけ指さすと、素晴らしいフランス読みで
「ラファイエット通りを探していたんだね!」と。
わたしの発音では、まるで別物・・・わかるはずがなかったよ!
通りさえ分かれば大丈夫と伝えても、すごく心配してくれて付き添ってくれます。
言葉は通じないのだけど、まるで日本のお年寄りと一緒にいるような気分でした。
ようやく安心してくれて、さよならしましたがなんか別れがたい感じになちゃって。
僅かな時間のかかわりだったんですけどね。
6月17日時点で、フランスの新型コロナ感染者は15万8000人で死亡が29575人だそうです。
あのおじいちゃんとおばあちゃん大丈夫かなぁ~
知るすべもないんですけど・・・きっと神様は見捨てたりはなさらないはず!!
以前撮った写真。別に意味はないけど早く以前の美しいパリに戻ってほしいという
祈りを込めて贈りま~す(^.^)