プチヨーロッパみたいなグラバー園 ~長崎紀行
長崎港を見おろす高台にあるグラバー園
長崎市南山手町にある観光施設、グラバー園をたたずねました。
1859年(安政6年) 長崎開港長崎に来住したイギリス商人グラバー、リンガー、オルトの旧邸があった敷地に、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移築し、野外博物館的形態を整えた観光施設ともいうべき場所です。
イギリス商人トーマス・ブレーク・グラバーは、長崎開港直後に来日し造船と採炭の技術を日本にもたらしました。
グラバー商会を設立し、薩摩藩、長州藩や後の明治政府要人とも関係が深かったと言われています。
また、親日家でもあり日本女性「ツル」を妻とし、明治44年(1911年)に亡くなるまで
ずっと日本にとどまったそうです。
残念ながら写真のグラバー邸は、現在保存修理工事中で白い布で覆われていて、その姿を見ることはできませんでした。
しかしグラバー園には、まだまだ見どころがたくさんあるのです。
西洋館のたたずまいと、見晴らしを楽しむ~
南山手の大浦天主堂を見終え、ほんの少し歩くとすぐにグラバー園の入口に至ります。
見所はかなりの高台に位置しますが、苦も無くエスカレーターが運んでくれます。
高台から眺める長崎港は、周囲の洋館が視野に入るせいもあるのか、とてもエキゾチックな雰囲気。
夜のライトアップを楽しむこともできるそうです。
旧三菱第二ドックハウス
登り切って最初に姿を現すのは、外国の修繕船がドック入りした時の船員たちの宿舎として使われていた建物が移築された旧三菱第二ドックハウスです。
グラバー園が、現在長崎市の所有になっているのは、元の所有の三菱造船より寄付されたことによります。
二階建てコロニアル風で、ベランダから眼下に長崎港や対岸の稲佐山を望む眺めが素晴らしいです。
邸内にはたくさんの船の模型が展示されていました。
坂道をゆっくり下りながら、素敵な洋館を見ていきます。
旧長崎地方裁判所長官舎
洋風の官庁建築として、長崎で唯一残る貴重な建物で、レトロ写真館として機能しています。
外観に比して、内部は日本人の生活様式に合った造りだそうです。
旧ウォーカー邸
イギリス人実業家ロバート・ニール・ウォーカーの次男が暮らした邸宅。
木造平屋建てでイギリス式の暖炉と煙突に瓦屋根とと和風のひさしが設けられています。
一休みスポット~
旧ウォーカー邸から階段を下ると水場のある公園風のスペースになっています。
世界的に有名なオペラ「マダムバタフライ」の舞台は長崎。
プリマドンナとして有名になった三浦環と作曲者のプッチーニの石像が建てられています。
日本における西洋料理の草分け「草野丈吉」の店「自由亭」を移築し喫茶室として
営業されています。
オープンカフェ・グラバーカフェのテーブルも並んでいます。 冬場はちっと寒いねぇ~
旧リンガー邸
三方をベランダで囲まれたバンガロー風の建物。
「ナガサキホテル」開業当時のカラトリーなどを展示されています。
旧オルト邸
美しい庭を有する旧オルト邸は石造りの洋館。
天草の砂岩が基礎に使われていて、ベランダではかつてイギリス領事官のパーティが開催されたりしたそうです。
園内を観終わって出口は「長崎伝統芸能館」を通る造りになっていて、館内には「長崎くんち」の山車にあたる「傘鉾」がたくさん展示されています。
ここにある展示物はすべて「長崎くんち」で実際に使われているものであるとの記載がありました。
グラバー園そして「長崎くんち」のどちらも、独特の長崎の歴史と文化をを語りかけてくれます。