ゆらたび

日常から、非日常の折々の思いを綴りたい。

未来を予感させる駅

ベルリン中央駅

 

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1989年にベルリンの壁が崩壊して以来、空き地になっていた場所に空間を活かすように造られたのがベルリン中央駅(Berlin Hauptbahnhof)だそうです。 2006年に開業した新しい駅で、それまでの暗いドイツの歴史を払拭するかのような、全面ガラス張りの超現代的な外観です。

 

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(ベルリン中央駅内部)

 

ドイツ内外から中・長距離の列車が次々発着する巨大なターミナル駅で、内部は地上3階、地下2階の5階建て構造となっています。 他のヨーロッパの駅舎はゴシック調やバロック、ロマネスクなどの様式が多く見られます。内部も重厚な造りなのに比べると、ベルリン中央駅は、合理的なイメージではあるものの、装飾性に乏しく味気ない印象は否めません。 しかし、この巨大な駅の中にはショップやレストランなど様々な商業施設が入っていて、日曜、祭日など街中のスーパーや商店が休みの時などにも、役立っているようです。

 

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(ベルリンの街)

 

ベルリン中央駅は、ターミナル駅としての機能は大きいのでしょうが、主要観光ポイントの近くではなく、むしろ観光の拠点となるのはフリードリヒシュトラ―セ駅とアレクサンダープラッツ駅だと思います。 両駅ともベルリン中央駅のほぼ隣に位置しています。 フリードリヒシュトラ―セ駅は、博物館島方面、ミッテ地区などへのアクセスが良く、駅周辺にはカフェやショップもたくさんあります。一方、アレクサンダープラッツ駅は、すぐそばに「ベルリンテレビ塔」、「ベルリン大聖堂」があり、少し歩けば「ブランデンブルク門」や「ティアーガルテン」にもつながります。また、ベルリンの壁のペイントで有名な「イーストサイドギャラリー」も、このアレクサンダープラッツ駅から更にワルシャワシュシュトラ―セ駅まで足を伸ばした先にあります。

 

つまりベルリン中央駅とは、ベルリンの玄関口であると共に、その象徴的な意味も持ち、さらに縁の下の力持ちでもあるんだと思った私でした。

 

ストラスブール中央駅

 

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ストラスブールはフランス東部アルザス地方に位置する街。ライン川支流のイル川近くにあることから、交通の要衝として発展してきました。パリ東駅からは、TGVでわずか2時間20分でアクセスできます。 ホントに遠目には近未来的な建物で、知らなければ駅とは気が付かないかも知れませんね。

 

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(ストラスブール中央駅内部)

 

ストラスブール中央駅は、フランスのレトロな駅を内包した不思議な駅です。

調べてみると古い駅舎は1984年から歴史的建造物に指定されたそうです。ところが2007年TGV導入のため、手狭な駅舎の拡張が必要となったものの増築が難しく、古い駅舎保護も兼ね、ガラスのドームで覆うことになったようです。 ナイスなアイデア!

 

インスブルックのケーブルカー駅

 

鉄道駅ではありませんが、未来的なイメージの駅として浮かぶのが、インスブルックのケーブル駅の駅舎です。設計は亡くなられた、女性建築家のザハ・ハディド氏の手によるものです。ハディド氏と言えば、白紙撤回された東京オリンピックの新国立競技場の設計が思い浮かびますね。ロンドンの競技場もそうですが、流線型の優美でしかも未来的な形が彼女の特徴と言えますよね。 このケーブル駅もまさにその特徴がしっかり表現されています。

 

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インスブルックのノルトケッテ連峰行きのケーブルカーは、観光の中心である王宮のすぐ北側にあるゴングレス駅が始発になります。ここからケーブルカーに乗り、標高860mのフンガーブルク駅で乗り換え、標高1905mのゼングルーベ駅に至り、さらに乗り継いで標高2255mのハーフェレカー展望台がノルトケッテンバーンの終点です。

 

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(ゼングルーベからの眺め)

多くの春スキーを楽しむ人々が、恐ろしい傾斜の雪原を縦横無尽に滑っていました。コワ~

 

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ザハ・ハディド氏の設計は、インスブルックオリンピックの際に建設されたベルクィ―ゼのジャンプ台もあります。(恐竜の首ではありませんよ!)