ゆらたび

日常から、非日常の折々の思いを綴りたい。

美しさを誇る駅

ヨーロッパの駅

果てしなく広い大地を車窓から眺めるのも、ヨーロッパ旅行の醍醐味ですが、列車の発着する駅舎の魅力もそれに負けません。 世界の旅客鉄道は、1830年にイギリスのリバプール~マンチェスター間に誕生したそうです。 ヨーロッパの大都市では、中世に築かれた都市を取り囲む城壁の外側に鉄道駅が配置され、地方都市への始発駅となりました。そのため、大規模な駅は櫛形の、いわゆる頭端駅が多いと言うことです。 サン・ラザール駅をテーマに一連の作品群を描いたクロード・マネの絵画からもそれが見て取れます。

 

ベルギーのアントワープ中央駅

 

f:id:yurahime5:20190624223738j:plain

 

上の写真はベルギー第2の都市、アントワープの中央駅です。日本では「フランダースの犬」の舞台としても知られています。 国内外からの列車の発着する、そして世界で最も美しい駅の一つとして名を馳せています。「鉄道の大聖堂」とも異名をとるほど優美で装飾性に優れています。 この駅を見ることが、私の旅の目的の一つと言っても過言ではありません。

 

f:id:yurahime5:20190629235343j:plain


その姿はテレビや旅行誌などで知ってはいましたが、ベルギー特産の色大理石に彩られ、宮殿とも見紛う優雅な装飾。そして鉄とガラスで作られたプラットフォームから射す光と微妙な影。予想以上の美しさにしばし釘付けになってしまいました。

 

アムステルダム中央駅

f:id:yurahime5:20190629233825j:plain

 

アムステルダム中央駅は、国際列車のタリスやユーロスターも乗り入れるオランダ鉄道の主要駅です。 国際ハブ空港であるスキポール空港からのアクセスも良く、ドイツ方面からはICEも発着しています。 レンガ作りの美しい駅舎は、アムステルダム国立美術館を設計した実績を持つカイペルスによるものです。それまでは、鉄道技術者や無名の建築家が設計していたのですが、国際的な駅としての重要性からカイペルスが起用されたようです。

 

レンガ造りの駅と言えば、東京駅はこのアムステルダム中央駅をモデルにしたと聞いていました。 しかし、アムステルダム中央駅はネオゴシック様式なのに対し、東京駅はビクトリア様式との事。単に似てるということか? ちょっと残念な思いになりましたが2006年に両駅は、姉妹駅となったそうです。

 

f:id:yurahime5:20190629235915j:plain

(アイ湾)


アムステルダム中央駅の正面はちょっとした広場になっていて、観光の足として便利なトラム、メトロ、バスの乗り場があり、困ったときには常駐の案内の人が声をかけてくれました。 その広場の先は運河が開けています。

また、駅の裏手はアイ湾で、広々とした海の景色に癒されます。 無料のフェリー乗り場があります。

パリ北駅

 

f:id:yurahime5:20190630001441j:plain

 

パリ北駅は、パリ10区にあり、フランス国鉄の主要ターミナル駅の一つです。 

フランス北部やドイツへの長距離列車、そしてロンドンへ向かうユーロスターやブリュッセルへのタリスなどの、高速列車の発着駅ともなっています。

ロンドンからパリにユーロスターで入った私は、この北駅に到着したのでした。 いつもはオペラ座界隈に宿を取るのですが、今回は北駅近くのホテルに滞在しました。自ずとパリ歩きの起点は、北駅となりました。 北駅前は多くの多国籍な人々が行き交い雑多な印象。治安が良くないとの認識もあったのですが、まったく不安なく過ごせました。 そしてこの美しい駅に魅せられています。

その時は知らなかったのですが、パリ北駅は「世界で最も美しい駅」にランクインしているのです。