ゆらたび

日常から、非日常の折々の思いを綴りたい。

献上「唐子絵」~ 三河内焼

 

 

秀吉の朝鮮出兵のお土産?~三河内焼

 

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献上唐子絵

 

16世紀末豊臣秀吉の朝鮮出兵の折に、26代平戸藩主松浦鎮信(しげのぶ)公が朝鮮から連

れ帰った陶工のひとり巨関(ごせき)に命じ、平戸に窯を築いたのが平戸焼の始まりです。

後に良い陶土を求めて佐世保の三河内(みかわち)に移り「三河内焼」となりました。

 

代表されるのは、白磁に藍色で絵付けされたもので、Wikipediaによるとデンマークの博

物館長を務めたエミール・ハンノーバーは著書「日本・陶磁器考」の中で

「1750年~1830年内の日本磁気の中では白色に輝く最高の製品」と称賛しているそうです。

 

三河内焼のトレードマークとも言えるのが「唐子(からこ)絵」です。

唐子(からこ)とは、唐(中国)の子供の意。

この唐子絵、三河内焼でしか作ることを許されなかった伝統の図柄で、もともとは朝廷

や将軍家への献上品として焼かれていた物でした。

庶民の使用は、明治以降になってからだそうです。

 

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一人唐子は(大衆向け)

三人唐子は(武家等)

五人唐子は(大名等)

七人唐子は(将軍、皇室、朝廷) 別名、献上唐子絵

 

涼しげな「透かし彫り」もまた三河内焼の特徴のひとつです。

 

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三河内焼「透かし彫り」

 

とっても庶民的な味に・・現代の唐子絵

 

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唐子のお湯飲み

 

このお湯飲みは、両親が何かの記念に市から頂いたもの。

唐子がかわいくて、あらためて三河内焼の魅力を思い出しました。

当然、量産物で金額的にはお手頃だと思われ描画も荒いですが、子供の頃の記憶の一片

に存在する懐かしい絵柄です。