会津松平氏庭園「御薬園」~会津街道を行く
国指定 名勝会津松平氏庭園
御薬園とは、鶴ヶ城の東に徒歩15分の場所にあり、中央に心字の池を配した回遊式の借
景園と、そして各種薬草園を含むことが名前の由来だそうです。
室町時代に葦名盛久が霊泉の湧き出したこの地に、別荘を建てたのが始まり言われます。
昭和7年に徳川時代の代表的な大名型山水庭園として国の名勝に指定されました。
大名家にちなむ由緒ある庭園を見たいと言うだけの興味で訪れましたが
熱中症が懸念されるほどの8月の暑さの中、倒れないうちにと大急ぎで見せていただました。
御薬園入園
案内図の普通駐車場(無料)に車を停め、大型駐車場前の受付で入園をお願いします。
入園料大人330円。
園内のお茶御殿「楽寿亭」でお抹茶を頂けば入園と合わせて800円。
どうやらこの暑さでは、ゆったりお茶を楽しむ人はいないと思われます。
それどころか、園内で顔を合わせた他の入園者は一組のカップルのみ。
入園に際し「暑いので、マスク着用には及ばない」とのことでした。
風情ある冠門をくぐり心池と楽寿亭を眺める
よく整備された美しい歩道。
爽やかであるはずの緑の庭木も炎天下では、その葉裏の照り返しが目に痛い。
もっとも見事と言われる女滝から見る「御茶屋御殿」
心池や庭園が見渡せる、松平容保公別荘「御茶屋御殿」
薬用植物標本園
栽培中の「オタネニンジン」をはじめとして
酷暑のなか、さまざまな薬草が整然と並んで栽培されています。
移築された秩父の宮妃ゆかりの重陽閣
御薬園の片隅の「重陽閣」は、会津藩最後の藩主である松平容保の孫であり、秩父宮に
嫁がれた勢津子様ゆかりの建物です。
昭和3年(1928年)竣工の「重陽閣」は、もとは東山温泉の新滝別館だったそうです。
妃殿下が婚儀の前に家族と宿泊されており、昭和48年(1973年)御薬園に移築され、ご自
分の誕生日の重陽の節句にちなみ「重陽閣」と命名されました。
勢津子様の皇室への入輿は、幕末以来賊軍のレッテルを貼られ肩身の狭い思いをしてい
た会津の人々にとって、悲運な歴史を華やぎに塗り替えるような出来事だったようです。
「プリンセス・チチブ」と勢津子妃殿下の名を冠したこのバラは、イギリス人から捧げ
られたものだそうです。
残念ながら閉まっていましたが「重陽閣」では、勢津子様がお好きであった英国紅茶や
お菓子、ガレットが楽しめる「Tea Room」があります。